大阪市北区 天神橋筋商店街のギター・ウクレレ教室
K9 Music School🎸(ケーナイン ミュージックスクール)です。
ご覧いただきありがとうございます。
印象的な言葉は今まで色々聞いてきましたが、
若い男性の生徒の言葉で忘れられない言葉があります。
その男性にとって最後のレッスンの日がきた時のこと、レッスン後に彼はこう言いました。
「これでギターの50%は習得できましたかねぇ?」
10年ほど前の話です。
彼はまだ楽器を始めて1年ほどでした。
僕も当然今より若かったので思わず
「そんな訳はない。ギターの世界はもっともっと広い」的な言葉を返してしまいました。
ゴールというものの幅広さや人の心の複雑性をまだまだ利己的に考えておりました。
何にしてもその時、彼は恐らくある程度本気でそう思っていて、それを言葉にしたのかなと思います。
彼の中での50%そこそこはいけているという感覚だったんでしょう。
自分が言える範囲で物事の奥深さを伝えることも重要なことですが、その時の彼にとって
どのような言葉がベストだったのだろうかということを適切な利他性、共感レベルといったことで
考えるともっと幅のある言い方ができたと感じます。
まぁ、そんなことって誰にとっても多いですよね。
そんな自分を適切に許容することが大切だと思いますが。
知識というものは怖いものです。
やはりコレはあったほうがいいですね。
少なくとも自分には知識がまだまだ足りないのだ、という知識は持っておいたほうがいいですよね。
人はその時の感情でいとも簡単にゴールをイメージしてしまいます。
なんとなく感覚的に頑張った感があれば、まぁこんなもんで結構イケてる感じだろうと。
それはそれで大切ですよね。その方個人の感覚って大事です。
奥深いと自分が思っている感覚を共有できることは素晴らしいですが、
タイミングや自分や相手の性格、あらゆる要素が絡まってきます。
しかし、楽器の習得においては、こういったことを認知しようという心があるとないとでは
長い目で見たときに大きな差となります。
左手の指を一本フレットボードの上に置いて弦を押さえるという押さえ方でも、
「まぁ音も出てるし、こんな感じで問題なやろ..」と勝手にゴールを設定しているものです。
それで問題ない場合もあれば、弾き続けていった時に障害となる場合もあります。
適切な自己肯定感を持ちつつ、謙虚でいられることが大事だなとつくづく感じます。
そういったことにフォーカスできるようになってくると、生徒さんの上達方法に関しても
10年前は「ここから先は本人の気付きと努力しかない」と思っていた類のことでも
もっと言えることや、適切な練習方法によって良い効果が生まれることに気づきます。
恐らく達人って謙虚だと思います。その果てしない広がりを知っていて、
それを上手く自分の中で整理できているからかなと思います。
日本語の達人に日本語の何%を知っていますか?と聞いたら
多分、謙虚な数字が返ってくるでしょう。
そうありたいなぁと感じてしまう時点で僕は完全に煩悩に溢れた凡人なんでしょうか 笑
K9 Y.Y