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アーティスト肌って?

大阪市北区 天神橋筋商店街のギター・ウクレレ教室

K9 Music School🎸(ケーナイン ミュージックスクール)です。

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

アーティスト肌の人ってどんなタイプの人ですか?

 

 

現実を見ない感じの人? 言ってることがわけわからん?

一つのことは長けてるがその他は無茶苦茶?

神経症的傾向が高い...。

 

 

色々イメージはありそうです。

 

 

ジョニ ミッチェルさんは誰もが認めると言ってもいい素晴らしいシンガーソングライターです。

グラミーも複数回受賞されている凄いアーティストです。

 

 

その輝かしい経歴の中でジャズ系のミュージシャンと積極的に共演されていた時期もあります。

 

 

彼女がとらえているコードという概念は一般的な意味と少し違うようです。

 

 

コードって言ってみたら数ある和音の可能性の中のちょっとしたものです。

 

 

バークリーメソッドを基本にした一般的なコード理論はそれを一般の人が

基本的に気持ち良いと感じる和音をうまいことまとめたという事です。

そしてルート音という概念があります。

 

 

そのような概念がなかった大昔のクラシックから考えてみれば一緒のことなんですが

メロディと言われる主旋律はそれが演奏されるその瞬間、一番低いところで何の音が鳴っている

かによってその瞬間が持つ音楽的景色の一つの大きな要因である音的に受ける印象という

ものを作っています。

 

 

要は主旋律とその時鳴っている一番低い音が大事だという事です。

それを理解しているということは重要です。

 

 

しかし、それを理解できるかどうかはそれを教わることができるか、という問題以外に

何の楽器で音楽をしたいと思ったか?や、自頭の性質にもよると思います。

 

ギターの場合は自分で自発的にその音楽的構造を理解することは難しいかもしれません。

 

 

ジョニさんもそうだったうようで、そんなことは気にせず

「この響きにこのメロディ」

「こんな感じこんな感じ...」

 

というような絵画的な?感覚で曲を作られているようです。

絵画に基本がないと言っているわけではないのですが。

ギターも既存のチューニングに縛られることなく弾かれていますし。

 

 

『一番低い音とメロディの兼ね合いの可能性』

 

 

についてはそんなに重要視されていないということがインタビューなんかでもよくわかります。

そんな中でジョニさんの感覚に近いベースラインをつけたのは

天才、ジャコパストリアスだったようです。ベースという楽器に持つイメージが一般とは

違うんでしょうね。ジャコのような達人は。

仲は悪かったみたいですが音楽家同士としての仲はよかったようです。

 

ジョニさんやジャコさんほどの具現化する能力があれば何でもいいということですね。

 

 

また、時代もあるでしょう。

 

 

やはり、理論というものを理解して、いろんな音をきちんと数値化して偶然性に頼らず創作できる

能力は大切です。

それがなくても全く問題ないですが、なくてもいいと思えるにはかなりのクリエイティビティが

必要です。ジョニさんぐらいの。

 

 

また、自分で楽しむだけなら全く問題ないでしょうが、自分の音楽を世間の軸に合わせようということを

考えた時、偶然性だけに頼っていては本当の幸運な偶然が起きない限り、受け身になります。

自分から合わせていく武器がないわけです。すぐいなくなる一発屋芸人と同じですね。

 

 

自分とか世間とかそんな概念すらなく、ただ自分の世界を表現したい、そしてそれが凄いたくさんの

知識を持つ人をも唸らせるほどの凄みがある人、そういう人が本当のアーティスト肌って言えるのかな?

 

そこにもまた大きなグラデーションがあるのでしょう。

 

 

動画はジョニさんのそんな既存の感覚に縛られない曲の例です。

僕もすごく好きな曲で「Sweet Bird」です。

 

普通に調性は感じますので恐らくご本人にとって違和感のないベースラインをつけることは

難しくなさそうに感じますがジョニさんの頭の中はきっともっと多様性に溢れているのでしょう。

 

ベースがもともと入っていない曲なのでいろんな可能性が聞こえてくるように感じます。

 

もう一曲は「coyote」です。これはすごいですねー。メンバー的にもジャズファンにはたまりません。

 

Y.Y